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2009年06月06日

本:『「定性調査」がわかる本』 肥田安弥女、林美和子

定性調査の本ではあるが、
マーケティング・リサーチを実施する上で大事なことが書かれており、
実務面で多いに役立つ本だと思う。
おそらくこの本の存在はあまり知られていないかもしれないが、
リサーチの発注側であるメーカー、調査会社のリサーチャー、
いずれの人も読んでおくべき良書だと思う。
現状のリサーチに関わる問題点をマーケッター側、リサーチャー側の両面で指摘しているからだ。

この本で非常に役立ったのは「企画立案」について触れている部分。
企画書がない、調査課題が見えないという現状にアラームを鳴らす。
これはマーケッターとリサーチャーで、企画意図をしっかりとすりあわせず、
本質的な目的を見出さないままに、調査をはじめてしまうことが問題なのだろう。
調査はあくまで、マーケティング課題があり、調査目的があり、調査課題があり、
というように見出すべきものが明確であって効果があるものなのだ。

この本は著者たちの長い経験から、
本質的で実務的なアドバイスがたくさん書かれている。
もちろん「定性調査」とは何ぞやということの理論も述べられている。
リサーチに関わる人間であれば絶対に買いの本であり、
何度も読み返して自分のスキルを磨くのに役立たせたい。

「定性調査」がわかる本―定性調査の実務に関わるすべての人達に向けて「定性調査」がわかる本―定性調査の実務に関わるすべての人達に向けて
林 美和子

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2009年05月30日

本:『マーケティング優良企業の条件』 嶋口充輝、石井淳蔵、黒岩健一郎、水越康介

「市場志向」についてまとめた本である。
市場志向的企業とはどういう組織であり、
市場志向であることはどんな結果をもたらすか、
9つのマーケティング優良企業のケースを挙げながら、
これまでにわかっている研究成果をまとめている。

ちなみに掲載されている9つの企業は下記である。
花王:調査部
資生堂:お客さまセンター
アスクル
サントリー:マーケティングサポートセンター
積水ハウス:納得工房
カルビー:営業部門
ユニ・チャーム
ネスレコンフェクショナリー:「キットカット」
松下電器産業:「レッツノート」

ケースはそれぞれに興味深く、面白い。
僕は、「花王」「サントリー」「ユニ・チャーム」「松下電器産業」あたりが特に面白いと思った。
市場の声のひろい方が参考になったと思う。

この本で、一番興味深かったのは最終章。
9つのケースのまとめになるが、「市場への創造的適応」という章だ。

市場への創造的適応をするために、「消費者インサイト」と「柔らかな制御」が必要だという。
消費者インサイトを見出すためには、市場調査をはじめとする情報が必要だが、
その手法として「生活観察」の重要性が述べられている。

柔らかな制御とは、「計画しつつ実行し、実行しつつ計画する」柔軟な姿勢のことだろう。
創造的適応は当初の意図を超えて展開する。
自分たちのアクションで市場が変化するわけで、
その変化に合わせてまた修正をしていかなければならない。

この創造的適応を支えるのは「マーケティング・リテラシー」である。
そして、組織のマーケティング・リテラシーは3つの要素に分解できる。
「情報の把握」「情報の普及」「情報への反応」。
自分の会社を考えてみると、「情報の把握」はいろいろやっているが、
「情報の普及」あたりから疑問符がつくなあ、と思う。
この3つがきちんとできている企業がマーケティング優良企業ということなんだろう。

ブランド・マネジャーの意思決定を支える体制として、
財務とデザインと市場調査の専門家を置くことが、
判断の質を改善することに繋がるとする。
ここにデザインが入っているのが、なるほどなあ、となんとなく思った。

マーケティング優良企業の条件―創造的適応への挑戦マーケティング優良企業の条件―創造的適応への挑戦
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2009年05月19日

本:『マーケティングリサーチの実践教科書』 上野啓子

4月に社内の組織変更があって、
いまひとつ自分の役割が定まらなかったことで、
わりあいゆとりがあったのだが・・・。
ここにきて、さすがにだんだん忙しくなってきた。
ということで、これまではこのブログをできる限り1日1回更新していたのだけれど、
少し更新頻度は減らしていこうかと思っている。

と、それはさておき、今日はマーケティングリサーチの本。
全体的にリサーチ初心者向けのわかりやすい内容である。
でも、中堅くらいの人にもいろいろと気づきがある良書だと思う。
実務入門とうたっているだけあって、
概念的なところの説明よりは実務に活かせる内容が多い。

最近、そもそも論として、リサーチの意義はどこにあるのか悩んでいた。
リサーチ結果どおりに商品を作ったのに売れなかったという非難コメントに、
クライアントはリサーチ結果に加えて、
市場全体や消費のあり方を見極めて判断しなければならないのです。

と、著者は言う。
医者(リサーチャー)が患者(クライアント)の声を聞き、
検査してガンかもしれないという結論を出す、
というところまでがリサーチにあたります。
それを聞いて「手術するか」「他の手段をとるのか」という
次のアクションを決めるのは患者(クライアント)本人です。

ふむ、ここには医者とあるけれど、まあ、検査技師が妥当な気がする。
ただ、医者のように治療(コンサルティング?)ができるリサーチャーでありたいが。

僕にとってはこの最初の章が最近の気分にハマっていたので紹介したが、
もちろんそれだけではなく、定量調査、定性調査ともに事例を用いてわかりやすく説明している。
細かいところまでは説明されていないものの、
本質的なところがおさえられていると思うので、
基本を学ぶ、確認するにはぴったりの本だと思う。

マーケティング・リサーチの実践教科書 (実務入門)
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2009年05月03日

本:『事例でわかる!ブランド戦略【実践】講座』 水野与志朗

著者は味の素ゼネラルフーヅ梶Aマキシアム・ジャパン梶Aハーシージャパン鰍ナ、
ブランド・マネージャー、マーケティング・マネージャー、マーケティング・ディレクターを務めた方。
ということで、実務的に使いやすいブランド戦略論となっている。

次の11の視点から書かれている。
1. ブランディングはどのように始めたら良いか?
2. 魅力的なコンセプトを作るにはどうしたら良いのか?
3. 顧客に欲しいと思わせるネーミングとは?
4. ブランド・イメージを良くするデザインとは?
5. ブランド構築と同時に売上も伸ばせる価格戦略とは?
6. お金をかけないでブランド認知を効率的に拡大するには?
7. インターネットを使った顧客開拓をどのようにするか?
8. エコロジー問題にどのように取り組むか?
9. 昔からある”おじさんブランド”を若返らせる方法とは?
10. 本来の”ブランドらしさ”を取り戻すには?
11. 社内でのブランディングの実際的な進め方とは?

最初のテーマのところで「戦略1」「戦略2」というのが出てくる。
「戦略1」とは、競合が作り上げた市場に、連続的な新製品の発売、
大量の広告投資やプロモーションをかけるという、
いわば物量作戦であり、資生堂TSUBAKIを例に挙げている。
「戦略2」とは、その物量作戦をとれない場合のゲリラ戦略のことで、
自分が一番になれる新しいカテゴリーを作り上げることをいう。
こちらはキリン・ラガーに対して、「ドライ・ビール」という新しいカテゴリーを作り上げた、
アサヒのスーパードライを好例として挙げている。

この本は上記の2つの戦略を軸として、
その他のポジショニングのあり方や価格設定について述べられている。
教科書的なブランド論を軸に置きながら、
実務で使いやすい形に置き換えて説明してくれているという印象だ。
すぐに役立つヒントがたくさんある好著だと思う。



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2009年04月19日

本:『わかりやすいマーケティング戦略』沼上幹

マーケティングについての入門書。
STP、4P、製品ライフサイクルなど、
基本的なマーケティング理論を、
タイトルどおり戦略という視点から説明している。

マーケティングの教科書として、
とてもわかりやすい作りだと思う。
最初に読む1冊としてオススメ。



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